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今月の仏教俳句歳時記

肌寒し己が毛を噛む木葉経 蕪 村

 「下総の檀林弘経寺という寺に、狸が書写した木の葉のお経があった。これを『狸書経』と云って、念仏門に大変珍重された」と作者自ら解説している。同寺(浄土宗)の縁起によれば、狸が僧に化けてこの寺にいたが、狸であることを見破られて、自ら死ぬとき、書き残したものがこの〈木の葉経〉で、住職の外、他見を許さずという。
 己が毛は狸の毛のことで、その毛を筆にして書写したというわけです。蕪村は三十代のころ関東の各地を遊歴し、結城の弘経寺のあたりに一時、寓居していたといわれます。また狐、狸の怪異変化が好きだったようで、
 秋のくれ仏に化る狸かな
 化さうな傘かす寺の時雨かな
などの句があります。
     

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