心経法〈中院・三憲〉付― 千巻経回向法則

価格(税込)
9,504

編著
北野宥範(編)
体裁
折本(145×105ミリ)
体裁
緞子装、174頁(両面刷)
ISBN
9784-88414-132-5
発行日
2012年2月

本書について

 衆生の心を安寧に調え、国土と国情を平穏に治める般若の智慧と祈りの功徳力。今こそ心経法を至心に行ぜん!!
 【心経法】とは『般若心経』並びに『陀羅尼集経巻三』を所依の経典とする行法で、四種法に通じ、特に三宝院流では古来、「神明法楽の為に殊にこの法を修す可し」として重用されてきた。そのために、神明法楽と共に天部法楽としても修されるが、師伝によれば、病気平癒や厄災消除の祈祷にも効験大と習っている。
 昨年、未曽有ともいえる大災害に遭遇し、多くの人々が人生観や自然観の見直しを迫られているこの時節に鑑みて、真言行者として、般若経典に説かれるところの「一切皆空」の深旨を体得し、檀信徒と共に千巻経を勤行して、仏菩薩・天部・神明に至心なる祈りを捧げる法会を厳修したきものと考え、今回の心経法の編集を思い立ったしだいである。

心経法とは

 『般若心経』並に『陀羅尼集経三・般若波羅蜜多大心経』に依って四種法に通修す。『薄草紙』『秘抄』共に心経法の題下に「神明法楽の為に殊に此の法を修すべし」と註す。是れは大師の『般若心経秘鍵』に附した表文に「但し神舎に詣(けい)せん輩(ともがら)、此の秘鍵を誦じ奉るべし」と言うを本拠とするものならん。『薄草紙』表紙には「仏法は神明の擁護に依って徳を増し、神明は仏法の法味を嘗めて威を施す(中略) 然らば則ち神明は法楽に依って彌(いよい)よ威光を増し、行者は加護に依って倍(ますま)す快楽に誇らん」とある。

般若菩薩とは

 般若部経典の本尊にして智慧を本誓とす。諸仏の覚悟を得ることは此の般若の力によるが故に、此の尊は仏母と称せらる。『大疏四』には、不動・降三世二明王の中間は阿闍梨の座にして又是れ般若菩薩の座なり、という。行者此の尊座に坐するは、覚母の胎蔵中に宿る意なり。

千巻経回向法則とは

 般若心経一千巻を読誦し、その供養を諸聖霊に回向する作法である。一千巻とはいえ導師一人で唱えるのではなく、職衆や施主の人数で割った巻数を読誦する。本次第では十人で百巻を唱える形にしてある。いずれにしても施主およびその親族等に必ず唱和してもらうことが大切であるから、暗唱できない場合には経本(コピーでも可)を貸与するとよい。また、施主にあらかじめ般若心経の写経をしてもらっておき、それを本尊前に供えればさらに丁寧な回向ができる。さて、この法会においては当処の本尊の他に、釈迦如来・般若菩薩・観音菩薩・心経の能説・所説・初文の各尊をも本尊とするが、この次第では回向を主とすることに因んで特に観音菩薩を本尊とした。