弘法大師法〈中院・三憲/最極私記〉

価格(税込)
12,960

編著
山路 天酬(編)
体裁1
折本(145×105ミリ)
体裁2
緞子装、帙入、212頁
発行日
2010年9月

本書について

 相伝の三種行様を統合。十八道立て大師法(中院・三憲)の最極私記を公開!大師への思慕と、報恩の想いを込めた編者事相研究の集大成。

本書の特長

  • 相伝の三種行様をそれぞれに統合させた。
  • 十八道立ての修法しやすい次第構成とした。
  • 本尊加持には秘々中の口訣を編入した。
  • 道場観には大日即弥勒即大師を示現した。
  • 開眼作法・大師略念誦法を巻末に付した。
  • 本次第の意図

     弘法大師法は阿闍梨の私案により編成されるべきもので、大正・昭和期の先徳による公刊があるものの、伝授の機会は殆どありません。こうした現状を顧みて、大師への報恩謝徳の想いから、この次第を編集しました。

    本次第の内容

    弘法大師法(中院・三憲)/開眼作法/結願作法/弘法大師略念誦法/解説

    解説(抜粋)

    【弘法大師法の行様】
     弘法大師法に三種の行様がある。
     第一の行様は理趣経法である。これは御影供の起源に由来し、延喜十年三月二十一日(大師御入定75年後)、東寺灌頂院における観賢僧正による法要を起源とする。金剛界五智の宝冠をいただき、胎蔵の法界定印に住する法性不二の大日如来を本尊とするのである。
     第二の行様は弥勒法である。大師御入定より三百年あまりを経た頃、大師を仏菩薩の垂迹とする思想が現われ御本地法が流用するに至る。定賢法務の『中壇小野』によれば、「大師の御本地、大日如意輪不動呵利帝は通途の説なり。弥勒最秘事なり。口伝重々なり」とあり、弥勒法をもって大師御本地法の秘事とするのである。
     そして、第三の行様が大師法(宝珠法)である。垂迹の大師が上揚して仏菩薩と同格となし、大師そのものを本尊とする。実運僧都の『御遺告秘訣』に「大師一尊を以って三仏合体の尊となすこと。大師の頂上はこれ摩尼宝珠、右手五股はこれ愛染三形、左手念珠はすなわち不動の羂索なり」とあるはその論証である。(後略)

    【当次第の主旨】
     結局、大日と弥勒と大師が同体であり、如意輪(宝珠)観音と一致するなら、弘法大師法の三種の行様も実は一体なのである。三昧耶形の如意宝珠は大日であり、弥勒であり、大師そのものである。
     すなわち、私は先徳の行様を損うことなく、当次第にて三種行様の統合を試みたのである。道場観では大師法における種三尊の後、その心中に弥勒法の種三尊を編入し、弥勒は一法界の法性大日と同体であるとした。また本尊加持には、大師法印明の後に中壇弥勒法の印明を付加した。弘法大師法の行様を止揚するに、妥当な私案となったはずである。大日即弥勒即大師の理念と了されたい。
     水原堯栄師次第における宝珠三印明、宮野宥智師次第における大師拝見大事、中壇弥勒法における裏書大事と不動愛染等は敢て編入しなかったが、諸次第を統合して適切な印明を採用したつもりである。