薬師如来護摩法〈中院・三憲 私記〉

価格(税込)
10,152

編著
山路 天酬(編)
体裁
折本(160114ミリ)、緞子装本、276頁
ISBN
978-4-88414-159-2
発行日
2014年04月

本書について

 真言宗寺院の本尊として祀られることの多い薬師如来の護摩法を刊行。薬師如来護摩法を〈五段如法〉〈二段尽略法〉で編成。さらに息災・増益の両法にて修法できます。
 除病・延命・安産等々、薬師如来の功徳を加持祈するために。

本書5つの特色

  1. 薬師如来の護摩法を中院・三憲の通用次第にてはじめて編成。
  2. 息災法を基本にしつつ相応句の入句により増益法との二種通用次第を心がけた。
  3. 五段如法と二段尽略法の護摩法を両面に掲載。
  4. 両流の口訣や作法の違いを解りやすく明示。
  5. 修法の便に配慮して詳細な解説を付す。

薬師法について

 薬師法は五種法では息災・増益に就き、除病・延命・産生などの祈りに修される。
 『覚禅抄』によれば「諸仏同体の事」として、法界定印に薬壷を持つは胎大日と同体、東方に住するは阿と同体、結印等しきは釈迦と同体などの諸説が記載され、また『秘鈔問答』には「消災軌未だ渡る前は阿に付いてこれを習い、彼の軌流布の後は然らず」とあり、この行法ははじめ阿法にて修していたことがわかる。『開心秘訣』に「仁海僧正の奏上に云う、大塔の五仏は中尊大日、四仏は薬師宝生無量寿釈迦云々」とあるのはこのためである。ところが平安中期に東大寺奝然(ちょうねん:元晃より密教を受法)の弟子祚一(そいつ)が一行撰の『薬師瑠璃光如来消災除難念誦儀軌』(前記の「消災軌」)を請来してよりはこの軌にて薬師法を修し、阿と薬師を別体とするようになったのである。

薬師護摩法の口訣

 薬師護摩法においては、部主段の主尊につき諸口訣に異同がある。すなわち『諸尊要鈔』は大日、『薄草子(初重)』は延命・大日・金輪、『秘鈔(巻一)』は延命・金輪、『秘鈔(諸尊護摩)』は金輪、『中院流三十三尊(薬師)』は延命といった具合である。また、日光月光の両菩薩は諸尊段の滅悪趣の前に、十二神将は世天段十二天の次に加句する。相応句については後述する。

当次第の主旨

 当次第は薬師如来護摩法を、現代真言宗の小野方二大法流たる三宝院流憲深方(三憲・幸心流)と中院流にて編纂したものである。折本の表面には如法五段すなわち第一火天段、第二部主段、第三本尊段、第四諸尊段、第五世天段の次第を掲載した。なお諸口訣に異同のある第二部主段の主尊については師伝に随い延命とした。
 次に裏面には編者の私案による二段尽略法を掲載した。この次第は西院流一段尽護摩法の応用と賢察されたい。参詣者の前にて、また寺院行事における修法に至便であり、活用されることを願っている。また薬師法は息災・増益の二種法に就くため、如法・略法の二つながら第一火天段にて二種法それぞれの相応句の便宜を図った。