[仏教と生活1] 盆行事 ― 伝承と信仰

価格(税込)
6,048

編著
竹林史博(編著)
体裁
A5判・上製・396頁
ISBN
978-4-88414-139-4
発行日
2012年6月
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本書について

 日本人に最も親しまれてきたお盆の行事 ― 全国各地の伝承と信仰のかたちが、この一冊でまるごとわかる。
 日本各地の民俗資料や近世〜現代の考証など、200余の文献を渉猟し、テーマ別に分類して読みやすい内容。

本書の特色

伝承と信仰に見る盆行事のすべて
 お盆の行事は正月と並んで日本人に最も親しまれてきた。しかし従来、主に民俗学の方面からのみ研究調査され、仏教からのアプローチは意外に少ない。
 本書は全国各地の民間伝承を紹介しながら、寺院・僧侶方にあまり知られていない多くの事柄を、仏教者の視点から明らかにし、盆行事のすべてがわかるよう編纂したものである。

住職・寺族も知っておきたい知識を満載
 お盆に関わるすべての行事を取り上げ、「釜蓋朔日」から「盆行事と俳句」までの全十一章に分類した。各章ごとに「考証」と「民間伝承」の両面から詳しく解説。写真・イラスト図版も多数掲載し、住職・寺族も知っておきたい知識・由来・事例を満載。

法話・寺報に役立つ盆供養のこころ
 各地の伝承には今日廃(すた)れてしまったものも多い。しかし故(ふる)きを温(たず)ねることにより、お盆が日本人の信仰心を長く培ってきたことを知り、次世代に遺(のこ)したい供養の心を知ることができる。
 お檀家に聞かれた時の手引に、また法話や寺報に役立つ、尽きせぬ話の泉。

本書の内容

1.釜蓋朔日……お盆のはじまりを盆月の一日とする「釜蓋朔日(かまぶたついたち)」の習俗を紹介。先祖はどこから帰ってくるのか? 精霊トンボに見る仏教的な意義など。
〔解説〕
〔考証〕
「朔日」の語源/釜蓋朔日と地下他界観/閻魔詣/ジゴクノカマフタ
〔民間伝承〕
十万億土から旅立ち/仏様の脛巾と草履/孫への物語/仏様は一日十里歩く/ボンゴ/ボンコショイ/縁の下から地獄の音が聞こえる/仏のどよめきの声/ナス畑に入らない/朔日は虫送り/鬼へ饅頭を投げつける/地獄の門番は饅頭を焼く臭いが嫌い/じり焼きを食べる/大きな饅頭を作る/焼餅を仏壇にたたきつける/ツノ饅頭/朝まんじゅう、昼うどん/釜蓋半飯/盆に死ぬと擂鉢を被せる/ケツアブリ/地獄極楽に通じる路がある/地獄の口あけ/打立の日/蜻蛉朔日/トンボや蝉をとらない/精霊ヤンマ/ショロさんトンボ/蝉の背中に乗りトンボが引く
・精霊トンボ考
・お盆の風景(一)


2.七夕……お盆に縁の深い七夕の行事。水との関わり、様々な俗信・伝承・マジナイ、各地に伝わる七夕馬の意味、青森のねぶたの意味など。
〔解説〕
〔考証〕
七夕の由来/悪筆がやたら流れる/七夕竹は精霊の依代/七夕と精霊祭祀/乞巧奠/梶の葉に書く/カジの葉/禊としての七夕/乾燥文化圏と湿潤文化圏/七夕と摩睺羅/タナバタ/七夕の禅問答/七夕の歌
〔民間伝承〕
七夕女房/七夕飾り/薬水が流れる日/川越人形/子供一人に一本/巾着を拾う/雨が三粒でも/七夕の井/七夕馬/馬流し/七夕馬と牛/お盆さま/草刈馬/屋根にのぼる/天の川が増水した時/子供がおぼれたとき/畑に入るな/七夕・ネブリナガシ/「眠り流し」の語源?/まめになれ/ネブタの木で朝寝坊が治る/ネブタ流し/七夕に鮒を供える/フカが寄りつかない/河童が茄子の木にくくりつけてある/川に張り渡す/七夕の短冊/甘茶を保存しておく/田ほめ


3.七日盆……道の草刈り・墓掃除・井戸替えなどお盆の準備をする七日盆。各地の盆の準備とその仕方を解説。
〔解説〕
〔考証〕
新暦と旧暦/何月に盆を行うか/盆の期間/七夕送りと精霊送り/曝井/井戸浚いの吉凶
〔民間伝承〕
あられ法界/墓掃除は盆前の風物詩/盆路作り/釜の準備はナカヌビ/抹香を作る/ネムの木で抹香/子供たちに伝える/亀にさらわれる/墓掃除と盆道作り/髪洗いは盆を迎える身だしなみ/たいまつの用意/飛び石ダンゴ/七日からお精進/七回水をあび七回親を拝む/洗髪/ムクゲの葉で髪を洗う/禊払いの名残か/マコモを刈る/タカウンマ/木六竹八/井戸替え/火がえ/井戸替えのお供え/日見ず日/イドコシタエ/もの干し竿切り/牛の盆/夏超/盆箸あれこれ/盆箸作り/マーヤーブ箸
・八丈島・盆の道普請
・お盆の風景(二)


4.盆花迎えと盆市……ミソハギやオミナエシなど地方により異なる様々な盆花。各地の盆市(草市)の風習。
〔解説〕
〔考証〕
七夕と秋の七草/万葉集と秋の七草/紫式部と清少納言/歌集にみる秋の七草/徒然草/江戸時代の「ミソハギ考」/ミソハギは熱を治す/ミソハギの語源/江戸時代の草市/市の立つ日/二度の盂蘭盆/草市と盂蘭盆に見る江戸っ子気質
〔民間伝承〕
山採りと栽培と/盆花はミソハギ/オショウライ花/野草のみも/ミツネノカミソリも/佐渡の盆花/仏の箸を作る/子供の役目/ボンバナさまざま/精霊花/仏さんを迎えに行く/コウハナは牛をきらう/盆の御馳走の花/ボニバナ/シャシャキ/無償でもらうミソハギ/花枝折/熊本でもオミナエシ/日向は三種/盆市/おぶき茶碗/八戸市の盆市/佐渡の盆市/ゆかしい草市/吉原の草市/蛍に蟋蟀まで/大阪の盆市/ボニウリ/ボウフラ買うてこい
・「盆花採り」と「花いちもんめ」


5.高灯籠……新盆の家で高灯籠を高くかかげる意味。各地により異なる立てる日と期間。各種灯籠・切子灯籠なども紹介。
〔解説〕
〔考証〕
江戸初期の高灯籠/江戸時代の高灯籠/江戸と京阪のちがい/江戸の高灯籠/切子燈籠の歴史/増上寺へ献上
〔民間伝承〕
北海道の高灯籠/雫石の高灯籠/マネキバタ/トウロケザオ/二十尺の高灯籠/タカンドウロウ/青竹のタカンドノ/茨城県の高灯籠(一・二)/スペイン風邪の高灯籠/高灯籠から瓦斯灯へ/ささめの縄/たね油の高灯籠/高いほどよい/新野の切子灯籠/キの字形の高灯籠/ご先祖様の腰かけ/手製の提灯/四角から六角へ/高松のトーロンウリ/切子灯籠の種類/新火/長洲の据え灯籠/竹竿の先にたいまつ/喜界島の太鼓灯籠
・佐渡の盆 高灯籠とボウシ
・お盆の風景(三)


6.精霊迎え……地方色豊かな迎え火・精霊迎えの風習とその心。場所・仕方・作法等、各地の様々な伝承を詳説。
〔解説〕
〔考証〕
各領の『風俗問状答』より/江戸の精霊迎え/迎え火にオガラを焚くいわれ/肥松
〔民間伝承〕
ぶどうの葉に盛る/仏様を夢に見た/盆中の墓参り/樺火/三大行事とされた樺火/オジヤレ/仏様呼バル/ボンスダレ/星の数が少ない/墓の餅取り/火を移す/橋の上で迎える/家の裏口から来られる/コオロギへのたむけ/佐渡の精霊迎え/富山の精霊迎え/盆どの早くござれ/百八テイで腹あぶり/迎えは早く/たらい水を用意/提灯をとりあう/はだしまいり/煙に乗って来る/十万億土を照らす/後ろを向いてはいけない/キャランノウ/富士川をさかのぼってくる/ナスの馬をもってゆく/線香五本もち帰る/土で作る線香立て/ツカ/精霊の入り来る場所/焚松/精霊の迎船/仏のこしかけ/湯気で浄める/四ツ辻で迎える/京都六道の精霊迎い/珍皇寺の精霊迎え/コナカリ/足洗水/船で迎える/仏を背負う/火とぼし/竹の燃える音で…/餅を食う真似をする/仏が見える/燃えさしのオガラ/川念仏/十三日の晩は寝ない/水迎え/青竹につける/桐の葉の上で焼く/油たき/カワバナ/海から迎える/線香で導く/墓石の数の女竹/盆花について帰ってくる/「へい、重うがした」/草履を持って詣る/墓前の饗応/天下の美観/提灯で迎えに/子供はハナチョウチン/灰に足跡がつく/竹ざおの迎え火/チンボチンボタキ/グリーの作法は?
・江戸の盆と四谷怪談
・お盆の風景(四)


7.精霊棚……「棚経はキリシタン禁制以前から行われていた」という論考から、全国各地の伝承まで、盆供養の中心となる精霊棚の祀り方と飾り物の意味を知る。
〔解説〕
〔考証〕
「邪宗門御改め」と棚経/棚経はキリシタン禁制以前から?/江戸時代の精霊棚/江戸にかわる事もなく/地方の記録/盆供の歴史/カヤの箸
〔民間伝承〕
家の仏壇と無縁仏と/盆のみそはぎ、わが親だ/栗の木で作る/器は蓮の葉/盆棚の前に下げる/仏の枕/盆棚の飾り/お精霊様は真っ赤な実を喜ぶ/新盆には青塔婆/仏様が長く居るように/アラレ/出ベソが治る/ソーメンは湯に浸して掛ける/盆用のニナワゾーメン/器は柿の葉/腰掛けを作る/ウドンは襷にする/仏様の禅 ワカメ/四斗樽を利用/手向けのドンブリ/蚕具を利用/盆バタ/杉の葉の魔除け/仏様が水を飲める/東京の盆棚/辻/足柄上郡の精霊棚/代々相伝の古い膳腕/組立式盆棚/浜松の精霊まつり/ボチ/オオボン/和歌山の精霊棚/田辺の盆踊り/アラタナ/仏さんは山椒と渋柿が好き?/新棚の仏様/板戸で作る/ホオズキは仏の蚊帳/仏さんが水棚で涼まれる/マッコウを焚く/脚絆わらじに金剛杖で棚経/晒の白幟/霊はそんなに軽いの?/食えない食膳も/仏様の鏡/竹四本で作る/仏の面かくし/カナバを焚く/松葉で迎え火/海浜に設ける/水棚の前で読経/扇を逆さまにつる/小豆島の盆行事/メアカの葉に盛る/板を吊る/精霊棚へお経/水が大事/芭蕉の葉を敷く/杉垣を作る/先祖小屋/芳香の精霊ゴモ/精霊物/精霊さまへの供え物/盆提灯行列/イボとりのまじない/柴つきの雑木を立てる/お釈迦様の昼弁当/精霊棚の夕涼み/ヨナガレ/霊うけ/盆には豆を引くな/精霊は鹿児島から来る/座敷に敷居を入れて作る/新仏と木仏の盆棚/精霊馬/新仏には人と馬を作る/昔は藁で作った/アラジョウロ/馬には腹帯/うどんの手綱/お墓に供える/お茶の輪/蔓のついていた方が頭/しらみの皮を買いに行く
・精霊馬の作り方
・お盆の風景(五)


8.盆料理……盆棚に団子・ソウメン・心太・ササゲ飯等を供えたり、刺鯖を贈答する意味、ナスの牛とキュウリの馬のいわれなど、料理に込めた精霊へのもてなしの心。
〔解説〕
〔考証〕
京都の商家の献立/仏様の鏡/カガミテンの作り方/蓮の飯/刺鯖/中元/中元の進物/蓮の飯
〔民間伝承〕
キリサンショ/生き仏様/葉焼き/カヤボウオカユ/赤飯で占う/くるみ餅/煮染め/落ち着き団子/朴の葉に盛る/四十二個のダンゴ/ササギ餅/早朝の餅搗き/薬になる団子/墓参りのダンゴで脳病みしない/あべかわ餅/箒飯/米のメシは非常なご馳走/足洗い粥/盆は姑と嫁の仲が良い/鯵の開き/棚にゃボタモチ/十五日晩にサトイモの初物/杵の音で迷わず来られる/アズキボウト/丸ナスのオヤキ/三体さん/ヒヤ汁/ニタマ/茶湯は四十九回/一荷餅/京都の盆の供物/飛魚二匹/お茶湯七十五回/イトコ汁/ササゲ飯は足が速い/ササゲ飯は秋の味覚/ササゲのニボシ/ヒョーナのおしたしがあったか/コウラをしてはいけない/ゴドウフ/アラメは仏さんのごちそう/刺鯖で盆の精進が解ける/ネンネコ鯖/アカツケダンゴ/ヒイ菜のおあえ/センボンバシ/オチツキゾウメン/ダンゴを盗む/盆さば/干しだら・むつごろう/盆の精進/お精霊様の鏡/精進落/七種の供物/フクレ餅/盆タラ/ソーメン汁/アカメガシワの団子/モロコを食べる/そうめんを食べるわけ/コッツドウフ/ササマツダゴ/ソトアレダンゴ/喜界島阿伝の盆料理/薬であった米/石垣島の盆料理
・「生御魂」考―お盆に鯖を食べる?
・お盆の風景(六)


9.子供達の盆行事……意外と知られていない子供とお盆の関わり。成育儀礼としての意味。盆中の子供達の遊びや楽しみなど。
〔解説〕
〔考証〕
江戸の「ボンボン」/子供の成育儀礼/盆竃/ママゴト/お盆の唄え事は子供の役目
〔民間伝承〕
御盆を組む/おおわいこ/七夕小屋/どんぶ/七夕竹を使い小屋掛け/盆叩き/篝とんど/仏のくる道を明るくする/グロに火を放つ/牛飼坊/インドが起源?/センドマンド/小屋を焼く/いたずら/カマコ/河原飯/辻飯/川原オヂヤ/盆勧進/精霊飯/門飯/ボニクド/柿の葉に盛る/チンチマンマの楽しみ/テンテコメシ/ボンママタキ/浜飯/松明の残り火でたく/盆ドコ/ヒゴラダキ/オショライの迎え火/盆綱/オッカチャニャア/エート・エート/吉久の百八灯/ねた牛/マイタマイタ/江戸時代の盂蘭盆遊戯「さあのや」
・壺井栄の児童小説『餓鬼の飯』
・お盆の風景(七)


10.精霊送り……精霊舟・灯籠流し・盆踊り・送り盆・地蔵盆など、先祖の霊を浄土に送り返そうとする願いのあらわれた様々な行事を紹介する。
〔解説〕
〔考証〕
大文字の火/精霊流し/精霊舟/精霊船あれこれ/灯籠流し/精霊流しの後始末/河村瑞賢の逸話/盆網曳/盆踊の工夫/江戸の盆踊り/輪型群舞と行進型/農村の盆踊/経木流し/盆の月/盆休み/藪入り/送り盆・二十日盆/添盆/地蔵盆
〔民間伝承〕
大川原の火流し/亡者船/蓮の葉のふろしき/やれもどれやれもどれ/タチハン/お茶が遅れないように/彼岸にまたござれ/十王飯/船銭をつける/虫送り/盆送り/家畜供養の粥/マジナイ花/送り火は遅いほど良い/一昔前の東京では/胡桃/御花松/川灌頂/西方十万億土に送る/川辺から送る/大文字送火/明るいうちお帰り/未明に送る/ソンジョサンの荷持ち/灯籠焼/高野山へ送る/ヤンメノマンド/餓鬼の首/ローソクの万燈/善光寺へ行かれる/三十一日の灯籠流し/さあなんぼ/柏餅は背なあて/灯籠を焼き灰を流す/遍路姿の人形/ローソクの百八灯/餓鬼の首もゆるむ/精霊船は縁起がよい/コーゴサイ/盆綱引き/長崎精霊流し/鏡トコロテンは精霊の鏡/遅れなされますな/二十二日に極楽に帰り着かれる/極楽丸/飛魚をあげる/盆踊/男は長襦袢/八尾風の盆/金沢のしやしやもしや踊り/目蓮説話と盆踊り/八木節/巡査がうるさい/郡上盆踊/臼でつくる櫓/わらじ三足はきつぶす/駐在さんを酔いつぶす/津和野踊/阿波踊/ぼうれい踊りに負けるな/亡者踊/盆踊口説/日向の盆踊/アンガマ/日本各地の有名な盆踊り
・お盆の由来と歴史


11.盆行事と俳句……寺報や掲示伝道句に使える盆行事の俳句300余句を収録。

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