不動明王護摩法〈私記〉

価格(税込)
10,152

編著
山路 天酬(編)
体裁
折本(145×105ミリ)、緞子装、帙入、264頁
ISBN
978-4-88414-172-1
発行日
2015年06月

本書について

 不動護摩次第の新たな提唱。他流を鑑み自流を潤色する明解平易な実践指南書。待望の不動護摩法、ついに刊行なる。三十有余年に及ぶ編者実修体験のすべてを本次第に結実。

本書5つの特色

  1. 五段如法と二段尽略法が一冊で修せる。
  2. 三宝院流と中院流の作法の異同が瞭然。
  3. 添護摩や祈願札加持の挿入箇所を編入。
  4. 修法解説では次第の要点と口訣を明示。
  5. 不動法への転用の仕方を丁寧に解説。

解説より(抜粋)

護摩の典拠
 護摩の本軌について、『乳味鈔』巻七より列記する。
  • 『大日経第六巻世出世護摩法品第二十七』善無畏・一行訳(大正蔵十八)
  • 『大日経疏二十巻』一行記(大正蔵三十九)
  • 『金剛頂瑜伽護摩儀軌(瑜伽軌)』不空訳・高祖請来(大正蔵十八)
  • 『建立曼荼羅護摩儀軌(建立軌)』法全撰(大正蔵十八)
  • 『火吽供養儀軌』伝善無畏訳(大正蔵十八)
  •  東密は高祖請来の『瑜伽軌』を所依の典拠とするが、台密は『建立軌』を所依とする。広沢諸流の四度加行にて、金剛界法の次に護摩を修するはこの説によるものと了されたい。しかし、小野諸流は二軌を通じて用いるため、『建立軌』の説によって胎蔵界法の次に護摩を修するのである。
     先の不動法の典拠と共に、不動護摩を修する行者は事相を通じて教相を求めねばならない。教相から事相は見えずとも、事相から教相を尋ねれば、密宗の本義にも通達するはずである。

    護摩の本義と種別
     護摩は〈焚焼〉という意味であり、大日如来の智慧の火をもって心中の煩悩を焼尽するが本義である。
     護摩には内外の別があり、〈外護摩〉とは外道の邪火、世間での護摩を指す。これに対して〈内護摩〉とは正法の聖火、出世間での護摩を指すのである。したがって、これを修する行者は護摩の外儀に堕することなく、自心の内証にて煩悩を焼尽せねばならない。すなわち、世間における薪や供具をもって、出世間の心中諸尊に供養を果たすのである。
     次に、護摩には息災・増益・敬愛・調伏・鉤召の〈五種護摩〉や、さらに延命を加えた〈六種護摩〉がある。ただし、息災をして上成就の法となし、他の四種・五種の通法となす。息災護摩によって身上安全や病気平癒を祈ることはもちろんであるが、良縁・子宝・安産・受験・就職・開運・商売・厄除にいたるまで、すべてこれ同法にて修するはこのためである。人は息災であればこそ健康を維持し、働いて財を潤し、良縁や子宝に恵まれ、開運して諸願を成就できるのである。
     次に護摩には合離の二別があり、供養法と護摩を同壇にて修するは〈合壇護摩〉、または〈即壇護摩〉という。加行の不動護摩をはじめとして、一般に護摩を修するは大方がこれに該当する。これに対して、供養法と護摩を別壇で修するが〈離壇護摩〉である。(後略)

    本次第を不動法として修法するには

     不動護摩次第は不動法に「入護摩」を編入したものですから、下記のように修法していただけば「不動法次第」として転用できます。(解説中に明記)
  • 本次第(如法五段)の加持洒浄香水から羯磨加持までを修さず、加持香水・加持供物を修す。
  • 表白の「威怒の護摩法」(12頁)を「威怒の深法」とする。
  • 散念誦の金剛夜叉(55頁)から大金剛輪(130頁)へと続けて修す。