法華法/法華息災護摩法<私記>

価格(税込)
9,504

編著
北野 宥範(編)
体裁
折本(145×105ミリ)
体裁
緞子装本、170頁(両面刷)
ISBN
9784-88414-183-7
発行日
2016年9月

本書について

抜苦与楽の利益と滅罪生福の功徳を大師も称えた、大乗仏教の至宝『法華経』を賛嘆供養する秘法。
法力増上、仏法興隆の為はもちろん、信徒の息災・滅罪の為にご活用ください。

本書の特色

薩・達・磨・奔・荼・利・迦・蘇・多覧の九文字で示される一組の曼荼羅が象徴する密教的神秘に則った秘宝を、自行用に編集した行者待望の次第。

息災護摩法を裏面に掲載。法力増上・仏法興隆はもちろん、信徒の息災・滅罪のた為にご活用いただけます。

大師の「法華経開題」が説く密教的意義

『大師の法華経理解の意味するもの』
 『法華経』といえば一般的には法華宗所依の経本、あるいは天台宗の根本宗典と目されがちだが、大師の末徒たる我々密教行者はそのような浅略なる理解をもってこの経に対してはならない。
 『法華経』が悟りへ至る一乗の教えを説く大乗仏教の最重要経典であることはいうまでもないが、これを密教的に解釈すれば毘盧遮那大日如来の常恒の智慧と最高の徳性を顕揚した経がこの経なのである。そのため大師は数種類の「法華経開題」を著わされている。
 まず大師は「『妙法蓮華経』は、苦しみをなくし、楽しみを与えるという限りなく多くの利点ではとくに勝れており、罪障を滅し幸福を生じるという多くの点では、他を断然引き離している。」との穏当ともいえる記述の後に独自の密教的な解釈を披歴されている。
 「多寳如来と釈迦如来は、異なる佛であるが、一つの佛塔の中で同座している。『法華経』では、中心人物を観自在王と名づけ、中心の教えを蓮華のような境地というのである。ものを正しく観察する智慧は、もろもろの存在を正しく選びとることができ、文殊師利菩薩は、固有の本質がなく、すべてを平等に熟慮する智慧を司っている。」
 「このような人と種子と蓮華は、どこに存在しているのかといえば、あらゆる生きとし生けるものの心の中に本来的に内在している。ここでいう心と、覚者である佛と、生きとし生けるものの三種は、同一の存在の異なった名称である。」云々
 諸師においては、これらの深秘な教えに則り行者と しての法力増上あるいは檀信徒息災成就のための一法として、本次第を活用されんことを願うものである。

法華法の修法について

 密教大辞典では法華経法についてこのように説かれる。
『息災・増益・延命・滅罪に修す。観智軌に「我れ今大教王遍照如来成道法に依り若し能く此の勝義に依って修せば、現世に無上覚を成ずるを得」と説ける中、大教王とは金剛頂経、遍照如来成道法とは大日経と習い、また軌の中に浄三業・五相成身の印言を挙げるは教王経に依り、入佛・法界生・転法輪・五供養の印明を挙げるは大日経 に依るを以て、此の経法を両部不二の秘法とす。
 又観智軌は法華経の供養法にして、法華経二十八品を帰命称讃する二十八偈を説き、以て法華経の功徳をこの中に摂む。仍て台密には殊に此法を尊重す。』云々。
 台密で「法華経法」を尊重するのは当然のことだが、真言密教徒としても、大師の揚言にある如く大日如来の智慧と法徳が宣明されたこの経法を修すことの功徳は図り知れない。そういう意味で本次第は自行及び法要導師次第として編纂されている。