本書について
「咲めば八葉中台の尊神、瞋れば八大荒神の大神也。」(伝・弘法大師御製「荒神式」所載の文) と謳われる三寶荒神の秘法次第を諸流通用に配慮して新たに編纂。
《構成》
三寶荒神供 私記
三宝荒神法楽秘法 私記
三宝荒神放捨秘法 私記
荒神式(弘法大師御製)
《構成》
本書の特長
『三寶荒神供』編纂にあたって(後記より)
本次第は子嶋流十八道立「荒神供」を範として諸流通用の「三寶荒神供」次第の編纂を企図したもので、書名に「私記」と付したのは、そういう想いを込めたつもりである。
次第の内容については伝授の機会に述べるとして、ここでは「後記」と題して昨年八月に御遷化された永田覺範大僧正を偲ぶ一文を記しておきたい。それというのも、「荒神供」といえばすぐにその名が連想されるほど、永田大僧正はこの法の普及に大いに力を尽された方だったからである。かつて御自坊にて「荒神供」の直伝を受法した折にはその懇切丁寧な伝授に感銘を覚えたものである。
打ち明けていえば、筆者はこれまで数名の方から「荒神供」の編纂を依頼されたことがあり、その度ごとに《荒神供は永田大僧正のもの》との想いがあってお断りしてきた経緯がある。そんな筆者の気持ちに変化が萌したのは、その御遷化のあとしばらくしてからのことで、大僧正が「荒神供」に込められた長年にわたる篤い御意向を相承するためにも、新たな荒神供次第を編纂すべきではないか、と考えるようになったのである。
本次第においては、冒頭に述べた通り筆者なりの企図を凝すことに努力したつもりだが、随所に大僧正から授かった作法が息づいていることに気づかれる方も多いのではないかと思う。覺範大僧正の一周忌を控えた時期に本書の編纂を終えたことを法幸とし、改めて報恩の想いを強くしたので、特にこの場を借りて述べさせていただいた。
次第の内容については伝授の機会に述べるとして、ここでは「後記」と題して昨年八月に御遷化された永田覺範大僧正を偲ぶ一文を記しておきたい。それというのも、「荒神供」といえばすぐにその名が連想されるほど、永田大僧正はこの法の普及に大いに力を尽された方だったからである。かつて御自坊にて「荒神供」の直伝を受法した折にはその懇切丁寧な伝授に感銘を覚えたものである。
打ち明けていえば、筆者はこれまで数名の方から「荒神供」の編纂を依頼されたことがあり、その度ごとに《荒神供は永田大僧正のもの》との想いがあってお断りしてきた経緯がある。そんな筆者の気持ちに変化が萌したのは、その御遷化のあとしばらくしてからのことで、大僧正が「荒神供」に込められた長年にわたる篤い御意向を相承するためにも、新たな荒神供次第を編纂すべきではないか、と考えるようになったのである。
本次第においては、冒頭に述べた通り筆者なりの企図を凝すことに努力したつもりだが、随所に大僧正から授かった作法が息づいていることに気づかれる方も多いのではないかと思う。覺範大僧正の一周忌を控えた時期に本書の編纂を終えたことを法幸とし、改めて報恩の想いを強くしたので、特にこの場を借りて述べさせていただいた。
荒神供について
この法はもと台密の相承として知られ、東密法流としては各流に一定しないが、修験では盛んに修法される。ある口決によれば、文殊菩薩より婆羅門僧に相伝すとあり、子嶋流にも荒神の六印言は文殊の伝なりとの口訣がある。後に台密に伝わり、十八道の行軌を以て調えられたとされる。子嶋流に一面四臂および六臂の行法次第があることが知られる。
なお如来荒神の持物の塔と鈴は金剛界三十七尊の初後である大日如来と鈴菩薩、五鈷杵・宝珠・蓮華・羯磨は四波羅蜜菩薩を表すとされる。(密教大辞典より)
なお如来荒神の持物の塔と鈴は金剛界三十七尊の初後である大日如来と鈴菩薩、五鈷杵・宝珠・蓮華・羯磨は四波羅蜜菩薩を表すとされる。(密教大辞典より)