NEW 近 刊

雙身敬愛天浴油法〈私記〉

価格(税込)
9,504

編著
北野 宥範(編)
体裁1
折本
体裁2
緞子装本、138頁(両面刷)
発行日
2018年9月

本書について

独鈷変じて多聞天と成り、掌中に独鈷を持す。輪変じて吉祥天と成り、掌中に輪を持す。(道場観より)
雙身毘沙門天王の秘法を編纂。

本書の特長

『雙身敬愛天』は『雙身毘沙門』 のこと。男天は多聞天、女天は 吉祥天にて、従来『雙身毘沙門 浴油法』として知られる秘法。 今回は諸種の次第を勘案して新たに編纂した次第を刊行。
裏面には『毘沙門天華水供』と『不断荒神放捨秘法』を併載。

※伝授会について
下記の日程で伝授会が開莚されます。
10月17日(水):奈良・東大寺
◉主催/学稟会
◉大阿/北野宥範 僧正
◉受者資格/伝法灌頂入壇者
※詳しい案内状をご希望の方は青山社(担当:三宅)までお申付け下さい。

『雙身敬愛天浴油法』について(後記より)

 本次第は編者が諸先師より受法した数種の雙身毘沙門浴油法を勘案して編纂した次第である。簡便さに配慮したつもりだが、もちろん「簡便」がそのまま「手軽」に相当するわけではない。
 ここでは本法に関する予備的な知識とでもいうべき解説を記しておく。まず表題の『雙身敬愛天浴油法』は「雙身毘沙門天浴油法」とした方が通りが良いと想われるが、「敬愛」は中院流聖教にある表題で本法の主要な効験の一つである「敬愛による転禍為福」の徳をよく顕すことからこれを採った。 『密教大辞典』によれば「雙身毘沙門天」は毘沙門吉祥の二天合體尊にして、理智冥合の本義を表すもの。従来は台密に於て尊意作と伝えられる「吽迦陀野天法・吽迦陀野儀軌」等を本拠として多く用いるも伝来の儀軌は無く、東密に於ては伝法院流及び勧修寺流に相伝すとある。
 また毘沙門・吉祥二天合體について、吉祥天が女天の相でないことに因み雙身は毘沙門天と半天婆羅門の二天なりという一説がある。これ即ち法性と無明とを表し、二體が背中合せに立つは法性と無明とが相反の法でありながら、実は不二一如同體一心である理を示すためであるという。
 但し道場観に「多聞天は合掌して掌中に独鈷を持し、吉祥天は同じく輪を持す」とある如く、本法
の本尊が従来の説に従い多聞・吉祥二天の雙身であることは明白であり、これに対応して表白には「是の故に須臾たりとも此の尊に帰依すれば怨親不和の愁歎を散じ、一念も此の法に相應すれば転禍為福の歎眉を開く。」と述べる。(後略)

天部の障礙とは何か(後記より)

 天部諸尊を拝む場合にその障礙が取沙汰されることが多いのは、出世間の境地に常住することを目指す密教行者が、世間法である現世利益のための修法を行うことに釈然としない思いを懐くためであろう。しかしそこで「凡聖不二」の理を思い起して欲しいのである。「生佛一如」とも「我即大日」とも説く密教の根本宗要である。その理からすれば現世の福利除災という利益がそのまま出世間の法に至るための方便となるはずである。このように考えると天部尊による障礙などあるはずがないとも言えそうだが、事はそう簡単ではないのが世間法の複雑微妙なところなのである。
 どんなに修行を重ねた身であっても現世に生身として在る限り様々な障りや妨げに遭遇することは免れない。また天部の障礙とはその効験の強大速疾なることの反証であり、それを身に受けてしまうのは勝れた行者の定めかもしれないのである。(以下後略)

本書の構成

◇雙身敬愛天浴油法私記
◇雙身敬愛天像開結沐浴作法私記
◇毘沙門天華水供私記
◇不断荒神放捨秘法私記