[真実経の秘奥を探る]詳解 理趣経

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新 刊
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編 著 稲谷祐慈(著・訳)
体 裁 A5変型判、特殊製本、本文2段組み、350頁
発行日 2022年02月

本商品について

高祖大師・不空・玄廣・頼瑜等の理趣経注釈を現代語意訳で集成。
編著者の講伝私記を併せて掲載。

目次内容

◎理趣経開題 高祖大師
◎真実経文句 高祖大師
◎理趣経愚解鈔 玄 廣
◎薄造紙口決 頼 瑜
◎理 趣 釈 不空三蔵
◇理趣経講伝私記 稲谷祐慈
○〈訓読〉理趣経 稲谷祐慈
*高祖・先徳の諸論はすべて現代語意訳

収録諸論の概要

『理趣経開題』
大師の『理趣経開題』は【弟子帰命】【生死之河】【将釈此経】の三本から成り、『理趣経』を密教経典の王とする所以を、簡明秀逸に説いた開題として広く知られている。
三者のうち前二者は弟子・知人の亡母の供養に『理趣経』を宣揚講読したもので、真言宗において現代に至るまで、葬儀回向には必ず本経を読誦する習いはこの大師の先例に倣ったものといえよう。
【弟子帰命】篇では『理趣経』の題目について、たとえば「〈真実〉とは虚偽を簡ぶこと。偏りや邪まを簡び分け、それとは異なることの謂いである。本有の徳性の妙楽、真実真如真理の世界に遊ぶ味わい
は窮まることなどなく、(中略)恒に妙適であるので、真実というのである」等、具さに真言密教の要諦を説き明かす。
また【将釈此経】篇では「大楽とは大日如来、金剛とは阿閦如来、不空とは宝生如来、真実とは無量寿如来、三昧耶とは不空成就如来、経とは佛の教えの海の名である」と逐一述べたうえで、「般若波羅蜜多は阿字本不生の義である」と高らかに宣明されている。

『真実経文句』
『真実経文句』は大師が不空三蔵の『理趣釈』に拠りながら理趣経の本文を注釈されたもので、特に経中に説く金剛界曼荼羅について、諸処に大師独自の解釈を表明された注釈書である。

『理趣経愚解鈔』
撰者の玄廣(1556~1616)は高野山無量光院の学匠。甲州西郡の人で武田信玄の一族。その性は鋭利爽才にして義学玄微に徹し、初め駿州府中總持院に住して今川氏の帰依を受けるも、慶長年間高野山に掛錫して龍華院に住し、次いで碩学職に抜擢された。後に玄仙法印に継いで無量光院の席を董し、学徳ひときわ勝れる故に碩学領五十石を増賜された。著作には本篇の他に、玄廣集二巻、数百帖の疏釈論稿等がある。
本論は大師の『開題』や不空の『理趣釈』をはじめとする先徳の理趣経注釈を博く渉猟して綿密広範に引用した理趣経注釈の名著で、その内容は問答体にて「当経三国伝来の事」から順次『理趣経』の大意、各段の構成・教主・趣意、金界曼荼羅における諸尊の配置…等々について細大漏らさず記して経の深秘釈に至る。その分量と老婆心ともいえる懇切丁寧な叙述によって本書の中心部分をなす論考である。

『薄造紙口決』
紀伊大伝法院中興、中性院流祖にして真言宗史上最大の撰述家と言ってもよい頼瑜の遺稿の中でも燦然と輝く『薄造紙口決』から「理趣経法」の項目を抽出して掲載した。

『理趣釈』
『理趣経』研鑽のうえで欠かすことのできない不空による注釈書。各段の曼荼羅、行法、心真言について逐一端的に述べ、修習を本旨とする本経の深意を伝える。

『理趣経講伝私記』
編著者が理趣経講伝を勤めた際に用意した「私記」を基に、今回大幅に増補加筆して掲載した。
その「序」にこう述べる。
「真言行者は自分自身に帰命しなければならない。理と智が相応して成立する〈事の点〉、即ち宝部としての人体の本有である〈理〉と〈智〉の自性に帰命しなければならないのである。また真言行者は棺中の遺体と入我我入できなければならない。一塵・法界・衆生の三平等たる〈理趣〉に生きるのが真言行者である。」